近年、ビットコインをはじめとした「仮想通貨(暗号資産)」がニュースやSNSで取り上げられる機会が増えています。
しかし、よく名前は聞くけど「結局なんのこと?」「どうやって価値が決まるの?」と疑問を持つ投資初心者の方も多いはず。
そこで今回は、初心者でも分かりやすいように仮想通貨の基本を簡単に解説します。
仮想通貨とは
仮想通貨とは、ネット上で使える「デジタルのお金」のことです。
日本円のように紙や硬貨はありませんが、スマホやPCで送金したり受け取ったりできます。
最大の特徴は、銀行などの管理者がいないことです。
通常、私たちが誰かに送金するときは銀行を通しますが、仮想通貨は個人同士で直接やり取りできます。これにより、海外への送金が早くて手数料も安いというメリットがあります。
なお、日本では法律上「暗号資産」という名前が使われていますが、「仮想通貨」という呼び方が一般的です。
代表的な種類(ビットコイン・イーサリアム)
ここでは、特に有名な2つを紹介します。
- ビットコイン(BTC)
最初に作られた仮想通貨で、今も世界で最も人気があります。
発行できる量があらかじめ決められているため、「デジタルの金(ゴールド)」と呼ばれることも。将来値上がりを期待して長期保有する人が多いのが特徴です。
- イーサリアム(ETH)
ビットコインに次ぐ2番手の通貨。
こちらは「スマートコントラクト」という機能を持っており、契約やアプリを自動で動かすことができます。NFTや新しいWebサービスの多くが、このイーサリアムの技術を使っています。
ブロックチェーンの仕組み
仮想通貨が安全に使えるようにしているのが 「ブロックチェーン」 という技術です。
難しそうに聞こえますが、イメージは 「みんなでつける取引のノート」 です。
● どういうノート?
お金のやり取りがあるたびに、
誰か1人ではなく 世界中の人たちのノートに同じ内容がコピーされる 仕組みになっています。
例えば、あなたが誰かにビットコインを送ったとします。
すると「◯◯さん → △△さんに送金」という記録が、世界中のコンピュータにいっせいに書き込まれます。
ブロックチェーンの3つの特徴
① 改ざんがほぼ不可能
たった1つのノートではなく、
何千、何万というノートに記録されているので、
1か所だけ書き換えてもすぐ「それ違うよ!」とバレます。
② 管理者がいらない
普通のお金は銀行が管理していますが、
ブロックチェーンは みんなのノートで自動的に管理。
「誰か1人がコントロールできない」ので安心です。
→ 国にも銀行にも依存しない仕組み。
③ 24時間365日、いつでも動く
銀行には営業時間がありますが、
ブロックチェーンは世界中で動いているので 止まりません。
→ 夜中でも、海外でも、すぐに送金できる。
ブロックチェーンとは
「世界中のみんなで同じノートをつけ続けることで、データを守る仕組み」
です。
だから“誰かに騙されない、安全なネット上のお金”が実現できているのです。
株や円との違い/初心者が注意すべき点
仮想通貨は、今までのお金や投資商品とは考え方が少し異なります。
● 価値の決まり方
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日本円 → 国が発行し価値を調整
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株式 → 企業の業績で価値が変わる
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仮想通貨 → 欲しい人が多いかどうかで価格が動く(需要が強く影響する)
そのため、仮想通貨は値動きが大きいのが特徴です。
上がるときは急に上がりますが、下がるときも大きく下がります。
● 発行者の違い
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円 → 日本銀行
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株 → 企業
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仮想通貨 → 特定の発行者はいない(ネットワーク全体で管理)
● 送金のしやすさ
仮想通貨は世界中どこへでも数分で送れます。
銀行のように営業時間の制限もありません。
初心者が注意すべきポイント
メリットが多い一方で、仮想通貨には注意すべき点もあります。
特に以下のポイントは必ず理解しておきましょう。
- 価格変動が大きい
1日のうちに大きく値段が動くことがあります。
短期で儲けようとすると損しやすいため、少額でコツコツが基本です。
- 詐欺が多い
「絶対に儲かる」「特別に教える」という誘いは要注意。
取引所は金融庁に登録された国内のものを使うのが安全です。
- 送金ミスは取り戻せない
銀行とは違い、間違ったアドレスに送ると取り戻すことはほぼ不可能です。
送金前の確認は慎重に行いましょう。
- パスワード管理が重要
ウォレットのパスワードや“復元フレーズ”を失くすと、資産にアクセスできなくなります。
紙に書いて保管するなど、管理には注意が必要です。
仮想通貨は、銀行に頼らずに使える「新しいタイプのお金」です。
ビットコインやイーサリアムは世界的に人気があり、今後のインターネットの基盤になる可能性もあります。
ただし、値動きが大きく、詐欺も多い世界です。
初心者は少額からスタートし、信頼できる取引所を利用することが大切だと思います。
まずは仕組みを理解しながら、自分のペースで少しずつ触れてみるのがおすすめです。