「気づけば株式が増えすぎていた…」
最初はバランスよく投資していたつもりでも、相場の動きによってポートフォリオの比率は少しずつズレていきます。
そんなときに必要なのが “リバランス”
この記事では、リバランスの意味や必要性、実際にどう行えばいいのかを初心者の方にもわかりやすく紹介します。
リバランスの意味
リバランスとは、時間の経過とともに崩れてしまった資産のバランスを元に戻すことを指します。
もう少し具体的に言うと、「株」「債券」「現金」など、最初に決めた投資割合を定期的に調整することです。
たとえば、
あなたが最初に「株式:債券=50:50」で投資を始めたとします。
その後、株価が上がって株の評価額が増えると、いつの間にか「株式:債券=70:30」になってしまうことがあります。
このまま放っておくと、株の比率が高くなりすぎてリスクが上がる状態になります。そこで、リバランスを行って、株の一部を売り、債券を買い増すことで再び「50:50」に戻します。
これがリバランスの基本的な考え方です。
必要性
リバランスは「資産の割合を整える作業」ですが、その本当の目的は リスクを一定に保ち、安定して資産を育てるため にあります。
投資を続けていると、どうしても株式や債券の値動きによって、最初に決めたバランスが少しずつ崩れていきます。
そのズレを放置してしまうと、知らないうちにリスクを取りすぎてしまうことになるのです。
たとえば、株価が好調なときは「もっと株を増やしたほうが得かも」と思いがちですが、それは同時に「下落したときのダメージも大きくなる」ということ。
リバランスを行えば、こうした“偏り”を防ぎ、安定した運用を長く続けることができます。
リバランスがもたらす3つの効果👇
- リスクをコントロールできる
値動きの大きい資産が増えすぎると、ポートフォリオ全体のリスクが上がります。
リバランスによってバランスを戻すことで、想定していたリスク水準を維持できます。
- 感情に左右されない投資ができる
人はどうしても「上がっているものを買いたくなる」ものです。
しかし、リバランスでは上がった資産を一部売り、下がった資産を買い足します。
これにより、冷静で合理的な判断を続けることができます。
- 長期的に安定したリターンを狙える
高くなった資産を売って利益を確定し、安くなった資産を買い増す。
これはまさに「安く買って高く売る」行動です。
リバランスを定期的に行うことで、自然と長期的に安定した成果を得やすくなります。
簡単なやり方
ステップ①:今の資産バランスを確認する
まずは、自分の現在の資産配分がどうなっているかをチェックします。
投資信託や証券口座では、グラフで「株・債券・現金」の比率が表示されることが多いです。
例)最初の設定:株50%・債券50%
今の状態:株70%・債券30%
この時点で「株の比率が高くなっている」ことがわかります。
ステップ②:目標の比率に戻す
次に、最初に決めた割合(たとえば株50%・債券50%)に戻します。
方法は2通りあります👇
-
方法A:増えすぎた資産を売る
株が増えすぎていれば、株式を一部売却して現金を作り、債券を買い増します。 -
方法B:新しく資金を追加して調整する
株を売りたくない場合は、次の投資で債券を多めに買うことで徐々にバランスを戻す方法もあります。
初心者の方は、売却をせず買い足しで調整する方がシンプルで心理的にもラクです。
ステップ③:年に1回チェックする
リバランスは頻繁にやる必要はありません。
年に1回程度、または資産配分が5〜10%以上ズレたときに行えば十分です。
たとえば「毎年12月に資産点検をする」といったルールを決めておくと、
忘れずに続けやすくなります。
体験談
私も最初のころは「リバランスって本当に必要?」と思っていました。でも実際やってみると気持ちがすごく楽になりました。
あるとき、株の調子が良くて、資産の7割が株になっていました。「このままでいいのか」と思っていたら、その後株価が下がってヒヤッとしました。
もしリバランスしていなかったら、大きく減っていたと思います。
それ以降、年に1回はバランスを見直すようにしています。たった数分チェックするだけで、安心して投資を続けられるようになりました。